・主な症状は、文字通り、不注意、多動性、衝動性です。集中力が無く、授業中も他の子にちょっかいを出し、遊びの順番などが守れないといった行動が見られます。実際、 年少期にはよく見られる行動ですが、注意欠陥多動性障害の場合は、それが極端でかつ年齢不相応にあらわれます。学習障害との合併も見られます
・症状からは、しつけや生育環境の悪さのせいと思われがちですが、原因は中枢神経や神経伝達物質の異常によって起きる病気です。また、脳炎や外傷が原因となることも あり、異常がおきる根本的な原因は不明です。
・注意欠陥多動性障害という診断がついた場合、中枢神経刺激薬を用いた薬物療法が有効ですが、副作用がおきる場合もあるため服用中は子供の様子をよく観察しましょ う。この病気の場合、診断がつくまでに、すでに周囲から「悪い子」というレッテルが貼られている場合も多く、親が医師の説明をよく聞いて病気を理解し、学校の協力を得る ことが必要です。叱られ続けるうちに、思春期になって自己否定や暴力といった反応がおきることもありますので、早期発見が大切です。